これまでの情報システムはお客様の本業を支える裏方
「情報システムは本業ではない」
これまでの情報システムはお客様の本業の裏方として、生産性向上やコスト削減、利便性向上などの手段として、そのビジネスを支えてきました。
- 製造業であれば、魅力的な商品を開発し、低コストで部材を調達し、ツボにはまる広告宣伝で購買意欲をかき立て、営業が最後の一押しで売上を上げる。
- 流通業であれば、各地域にきめ細かく配送センターを配置し、無駄のない集荷と配送のルートを考えて、効率よく荷物を届け、運送収入を手に入れる。
- 銀行や保険会社であれば、膨大な事務手続きを効率よく確実に処理することで、お客様の利便性と安心を担保する。
これがお客様の本業であり、それを支える裏方としての情報システムの役割は、これからも変わることはありません。しかし、そんな情報システムを支えるインフラやプラットフォームの構築やアプリケーションの開発に関わる方法はいま大きく変ろうとしています。
大きく変わり始めた構築や開発の常識
例えば、インフラの構築であれば、クラウド・コンピューティングの普及により、業務に必要な環境を半日もかけずに構築できるようになりました。プラットフォームの構築も簡単なメニューから必要な機能を選択するだけ準備することができます。AWSのLambdaやMicrosoftのAzure FunctionsなどのFaaS(Function as a Service/サーバーレスともいう)を使えば、アプリケーションを実現するプログラムの機能部品をつなげるだけで、処理フローを実行してくれます。もはやインフラやプラットフォームの環境を自分たちで準備する必要もありません。FaaS以外にもプログラマーが、個々の業務に応じたコードを少し書いてアップロードするだけで、必要なアプリケーションを構築できる仕組みが普及しつつあります。
このような仕組みが広く使われるようになったのは、情報システムの役割が拡がり、その需要が急速に増大しているからです。
裏方から本業へ役割を拡げている情報システム
情報システムはいま、本業の裏方の役割から本業そのものへと役割を拡げています。それは、オンライン・ゲームや通販、ソーシャルメディアやオンライン広告などのデジタル・ビジネスのことではありません。ビジネス環境のめまぐるしい変化に、お客様は自身のビジネスの仕組みを柔軟、迅速に変化、対応させていかなければ生き残ることができなくなりました。しかし、いまのビジネスの仕組みは、人間の判断や行動に依存し、多くの書類がビジネスを動かしています。このようなやり方では、ビジネス環境の変化に即応できなくなってしまいました。
そこでITすなわちデジタルテクノロジーを駆使して、何処の企業にもある伝統的な業務の仕組みを打ち壊し、ビジネス環境の変化に即応できる経営や事業の新しい仕組みに作り直そうというのです。
「人間を前提」にすることから「機械を前提」とした仕組みへ転換し、ビジネスのあり方を根本的に変えてしまおう。
このような取り組みは、「デジタル・トランスフォーメーション」と呼ばれ、情報システムは経営や業務の根幹を支える仕組みそのものとして、これまでにも増して大きな責任を担うとしています。
デジタル・トランスフォーメーションが目指すのは業務の仕組みをソフトウェア化することです。人間や書類に制約されることなく、ビジネス現場のニーズに即応して、業務の仕組みをスピーディに変更することや新たに追加することができるようになります。つまり、「あらゆる企業や組織が、ソフトウェア・サービス・プロバイダーへと変えてゆく」ことを目指しているのです
増大する開発テーマに対応するには「経験値×職人技」には頼れない
そうなれば、情報システムの開発ニーズは高まり開発テーマは増大します。この需要に応えるためには、これまでのような「経験値×職人技」にたよったやり方では、とても需要を満たしきれません。だから前述のような仕組みが必要となります。
たぶん近い将来、解決したい業務課題に関わるデータを集め、AI技術のひとつである機械学習を使うことで、アプリケーションの処理フローを自動生成できるようになるでしょう。そうなれば、「経験値×職人技」に頼るログラミングは必要なくなります。そんな時代がまもなくやってこようとしているのです。
こうなると、これまでのように情報システムを作ることに工数はかからなくなります。また、既存業務の効率化や改善ではなく、お客様の業務そのものを根本的に作り替え、新しいビジネス・モデルを創ることが求められるようになります。
お客様と合意した仕様書どおりのシステムを、QCD(Q 品質、C コスト、D 納期)を守って確実に実現することでは、お客様の期待に応えることはできなくなります。お客様と一緒になって最適な仕組みを模索し、ビジネス環境の変化に柔軟、迅速に対応するために新規開発や変更を繰り返すことが期待されるようになります。
そのためには、お客様の業務や経営に関心を持ち、お客様と対話し、最適な手法やサービスは何かを目利きし、それを使いこなしてゆく力量が求められます。その能力は、実践で試し、試行錯誤して、体感して身につけるしかありません。
自分役割を見直そう、自分の価値を再定義しよう
かつて銀行の窓口で応対していた行員がATMに置き換わったように、駅の改札で切符を切っていた駅員がICカードのタッチに換わったように、そして、近い将来、コンビニの店員がレジからいなくなるように、やり方が決まっている仕事は機械に置き換わってゆくのは今も昔もこれからも変わりません。
また、藤井聡太・五段が中学生でありながらベテラン棋士をなぎ倒し快進撃を続けられたのは、AI将棋で繰り返し練習したことが1つの理由だと言われています。このことは、スキルを磨くためには時間がかかるという常識がもはや時代遅れであるという現実を突きつけたとも言えます。
「時間をかけて積み上げた経験値」があるという事実に満足するのではなく、その経験値から得た気付きを問い、もっとお客様の価値を高めるためにはどうすればいいかを考え、新たなテーマを創り出すことが、私たちには求められています。そんな人材が、これからますます必要とされるでしょう。
テクノロジーの進化がこれまでの人間の仕事を奪うのは、いつの時代も同じです。だからこそ、テクノロジーやビジネスのトレンドに関心を持ち、変化する時代のニーズを先取りできなくてはなりません。アジャイル開発やDevOps、コンテナやマイクロ・サービス、クラウド・コンピューティングやハイパー・コンバージド・システムなどは、そんな時代の要請に応えようとして生まれてきました。これらは、もはや常識になろうとしています。
時代の変化を避けることなく最新のテクノロジーを体験し、その意味を知ることです。クラウドやオープンソースを使い、コミュニティに参加すれば、ための費用などを心配する必要はありません。
そんな体験を通じて多くの気付きを得て、自分の役割を見直すべきです。「自分の役割」とは、会社における役割ではありません。社会における役割であり、自分の社会的な価値とは何かを考えることです。自分の”いま”に冷静に向き合えば、自ずとギャップが見えてきます。そのギャップこそが、あなたの取り組むべきテーマです。
自分の役割を見直すことを先延ばしてはいけません。時代は加速度を早めて変わってゆくからです。いち早く、いや先んじて新たなテーマにチャレンジすれば、そんな時代の加速度は、むしろあなたの成長を後押し、あなたの価値を高めてくれます。
お客様と一緒に参加しませんか?
内容:全3回の講義と演習/受講者と講師のコミュニケーション
- 2月26日(月)第1回 最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略
- 4月27日(金)第2回 デジタル戦略を実践するための手法とノウハウ
- 5月29日(火)第3回 未来創造デザインによる新規事業の創出
2月14日(水)よりスタートする次期「ITソリューション塾・第27期」の受付を開始致しました。
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日程 2018年2月14日(水)~4月25日(水) 18:30~20:30
回数 全11回
定員 80名
会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
料金 ¥90,000- (税込み¥97,200) 全期間の参加費と資料・教材を含む
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【お願い】早期に定員を超えると思われますので、まだ最終のご決定や参加者が確定していない場合でも、ご意向があれば、まずはメールにてご一報ください。優先的に参加枠を確保させて頂きます。
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第27期は、これまでの内容を一部変更し、AIやIoTなどのITの最新トレンドについての解説と共に、そんなテクノロジーを武器にして、どうやって稼げばいいのかについて、これまで以上に踏み込んで考えてゆこうと思います。また、働き方改革やこれからのビジネス戦略についても、皆さんに考えて頂こうと思っています。
SI事業者の皆さんには、これからのビジネス戦略やお客様への魅力的な提案を考える材料を提供します。
情報システム部門の皆さんには、自分たちのこれからの役割やどのようなスキルを磨いてゆく必要があるのかを考えるきっかけをご提供します。
講義で使用する500ページを超える最新のプレゼンテーションは、オリジナルのままロイヤリティ・フリーで提供させて頂きます。お客様への提案、社内の企画資料、イベントでの解説資料、勉強会や研修の教材として、どうぞ自由に活用してください。
古い常識をそのままにお客様の良き相談相手にはなれません。
「知っているつもりの知識」から「実践で使える知識」に変えてゆく。そんなお手伝いをしたいと思っています。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
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・デジタル・トランスフォーメーションについて大幅に解説を増やしました。
・【講演資料】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション を新規に掲載しました。
・量子コンピュータについて、チャートの他に解説文を作りました。
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追加・更新の詳細は以下の通りです。
プラットフォーム&インフラ編
【改訂】サーバー仮想化とコンテナ p.94
【新規】ビジネスとしてのランサムウェア p.113
ビジネス戦略編
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションの意味 p.4
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは何か p.5
【新規】「限界費用ゼロ社会」の実現を支えるデジタル・トランスフォーメーションp.6
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの全体像 p.7
【新規】デジタルトランスフォーメーションとCPS p.8
【新規】デジタル・トランスフォーメーションを支えるテクノロジー p.9
【新規】デジタル・トランスフォーメーション実現のための取り組み p.10
【新規】デジタル・トランスフォーメーションをとは p.11
【新規】デザイン思考・リーン・アジャイル・DevOpsの関係 p.16
【新規】SIビジネスとして注力すべきテクノロジー(解説付き) p.17
【新規】デジタルトランスフォーメーション時代に求められる能力 p.20
サービス&アプリケーション・先端技術編/IoT
【新規】機能階層のシフト p.46
サービス&アプリケーション・先端技術編/人工知能とロボット
【新規】手順が決まった仕事は機械に置き換わる p.18
【新規】深層学習の学習と推論 p.52
【新規】「AIカント君」の可能性について p.92
開発と運用編
【新規】DockerとKubernetesの関係 p.45
【新規】システム開発のこれから p.62
テクノロジー・トピックス編
【新規】スマート・コントラクト p.53
【新規】量子コンピュータについての解説文 p.67-68
ITの歴史と最新トレンド編
*変更はありません
クラウド・コンピューティング編
*変更はありません
サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません
【講演資料】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション を新規に掲載しました。