「御社の新しいデータセンターは、首都圏近郊では最もハイスペックです。しかし、ここからわずか数キロ離れたところにも同様にハイスペックなデータセンターがあります。この両者の違いと、なぜ御社のデータセンターが優れているかをご説明いだけるでしょうか?」
HPとIBMとDELとNECと・・・どこが違うのでしょうか。プロセッサーはどこもIntel、OSはWindows、データベースはOracle・・・、違いを出そうと各社努力はしているものの、ユーザーからみれば甲乙つけがたく、「どれを買っても同じ」という状況です。
コスト・パフォーマンスを徹底追求して、コモディティにおける競合優位を確保する戦略です。これは相当に覚悟のいる戦略かもしれません。それでも、この戦略に成功すれば、例えばAmazonのように、大きな市場を確保し、自らをデファクト・スタンダードとすることが可能になります。
お客様の業務や経営の視点からお客様に最適化されたコモディティの利活用を提案し、それを利用してアプリケーション・システムやIT基盤を高いコスト・パフォーマンスで構築することで競合優位を確保する戦略です。
例えば、AmazonやGoogleを基盤として利用し、お客様に個別最適化されたアプリケーション・システムを構築します。場合によっては、その運用まで含めて受託するアプローチです。もし、自社で提供するクラウド・サービスやマネージドサービスなどのITO基盤があれば、そのITO基盤そのものを売るのではなく、お客様の個別の経営目標の達成や課題解決の方法を提案し、結果としてITO基盤が売れるというシナリオを描くことです。
コモディティ化したものは、それ自身で明確な競争優位を見出すことは困難です。ですから、上流からアプローチして、結果としてコモディティを売るというシナリオを描くしかありません。ただしこれには、お客様の業務や経営、あるいは、システム全体の企画や戦略を描ける能力が必要となるでしょう。
コモディティを積極的に活用し、蓄積した業務ノウハウやシステム・ノウハウを先鋭化して、魅力的なサービスを自ら提供することで競合優位を確保する戦略です。
例えば、ERPの業務ノウハウを駆使し、AmazonのIaaSであるEC2上にERP SaaSを構築、これを自社のサービスとして提供するアプローチです。
IT基盤は従量課金で手に入りますので初期投資リスクを抑えることがてきます。業務ノウハウが十分にあれば、そこで差別化することができるはずです。また、グローバルに標準化された基盤であれば、これまでの国内をお客様とするだけではなく、広く世界にお客様を拡大することが可能となるでしょう。飽和した国内市場に頼るだけではなく、グローバル・ビジネスを展開する術を手に入れることもできるわけです。
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