「営業活動は、一人でやるものではない。」
何を当たり前なことをと思われるかもしれないが、改めて現実を見てみると、この当たり前が、意外と実行に移されていないことに気づかれるだろう。
優秀な(?)営業が、一匹狼で、職人技を駆使して、お客様との関係を構築し、仕事をとってくる。組織も、そういう人間を頼りにし、仕事を任せている。
営業力がないことを個人の能力のなさと考え、営業スキルと称して、プレゼンテーションや交渉術を身につけさせようと考える。
営業会議は、数字の集計と確認に終始し、何でやらないんだと恫喝され、頑張れと励まされ、「営業というものはなぁ・・・」とありがたい上司のお言葉を拝聴する。
いずれも、営業力は個人力という前提である。結局は、個人の自助努力に期待し、その意欲や能力を高めることが、営業力の強化であるとの暗黙の了解の上で成り立っている。
このブログでもたびたび申し上げているが、営業力は組織力である。
これまでにもまして、お客様の期待や解決策の選択肢が多様化する時代にあって、これが最適という答えを見いだすことは、容易ではない。お客様も売る側も最適解を予め用意しておくことは難しい。お客様と一緒になって解決策を作り上げる。そんな営業力をお客様は期待しているのではないかと思う。
もちろん個人力の大切さを否定するつもりは毛頭無い。ただ、その力に頼った営業力では、どうしても限界がある。この現実を打ち崩し、組織としての営業力を引き出し、お客様に最大の価値を提供するためには、営業個人と組織を連携させるための仕組が必要だ。そのためには、「個人と組織を連携させるマネージメント・システム」に目を向ける必要があるだろう。
営業のマネージメント・システム・・・これを考える上で、参考になる資料を紹介しよう。
「【図解】営業マネージメント・サイクル」である。
以前にも紹介したが、「ソリューション営業モデル研究会」なるものを立ち上げて、ちょうど1年になるが、発足当初より、そのメンバーとして一緒に活動しているキヤノンITソリューションズの永田さんが、おもしろい資料をまとめてくれた。
“複雑に見えるものは何かが間違っている”が、彼のモットーだそうだが、まさに一目瞭然のチャートに仕上がっている。余計な、解説は不要だろう。ご覧頂けば、その意味をご理解いただけるものと思う。
彼の言葉を借りれば、「社内の営業プロセスの整備がうまく進まない最大の理由は、営業マネジメント・プロセスがうまく機能していないからではないか」と考え、そのあるべき姿を図表にまとめたそうである。さて、みなさんは、どのようにこの資料を受け取られるだろうか。