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わたしの友人が、とてつもないレースに挑んでいます。
フランスで行われている48時間走の世界選手権です。一周数百メートルの周回コースを48時間休まずにぐるぐると走り続けるという耐久レースです。
INAGAKI, Sumieさん、このレースの女子世界新記録保持者で、昨年のレースで、382.718 kmを達成しています。
このブログを書いている時点(5/24 9:40)で、35時間を走っています。
現在、女子4位、253kmを走りぬいているようです。現時点での女子トップは日本人のKUDO, Mamiさん。男子トップもこのレースの世界タイトル保持者であるSEKIYA, Ryoichiさん。彼もまた、401.416 kmの世界新記録を保持しています。
非常識なレースに参加する、非常識な人たち。いったい、どこにそんなチャレンジへの衝動が生まれるのでしょうか。未熟者の市民ランナーである私にとっては、いまだその気持ちが理解できません。ただ、人間としての限界に挑む彼らの姿には、心から感動します。
昨年、24時間走の国内大会の応援に行きました。最初は、どうせ時間をもてあますだろうし、顔を出してすぐに帰ろう・・・などと思っていたのですが・・・とんでもない!すごい気迫と会場全体の熱気に呑まれ、気がつけばレースを最後まで見届けてしまいました。
自分の限界に挑んでいる人たちの姿は、感動します。そんな彼らの姿を見ると、こちらも負けて入られないと、小さな握りこぶしを作ってしまいます。
レースに挑むという決意、そして、このレースに参加するための日々の練習の積み重ね。レースの結果以上に、そのひたむきな努力の中にこそ、私たちにとって学ぶべきことが、数多くあるように思います。
レースに失敗すれば、誰も評価してくれません。しかし、準備に準備を積み重ね、勝つ自信があるからこそ、彼らはレースに挑むわけです。そして、ベストを尽くす。練習の成果とその場その場の状況に臨機応変に対応する。彼等は、そうやって結果を自分に引き寄せているのです。
営業という仕事でも同じことです。
私たちは、自分の仕事のために日々訓練をつんでいるでしょうか。競合に勝つ、確実に予算を達成する。目標達成なくして、営業は、評価されません。
戦いに勝つために、自分は営業という仕事をしているという自覚。なんとしてでも、この案件をものにするという意欲。そのための不断の訓練。そのどれかひとつがかけていても、結果はついてきません。
日々の忙しさを言い訳に、営業としてのスキルを高める努力を怠ってはいないでしょうか。日々の実践こそ訓練であり、OJTで十分と考えているマネージャーや経営者は、営業という仕事の何たるかをわかっているとは言えません。
日進月歩の技術だけでは不十分です。経済環境の変化。法律や制度の改正。世の中は常に変化し続けています。お客様は、その変化の中で、ビジネスをしているのです。
OJTでは、世の中の動きを後追いするのが関の山です。お客様が、求めているものは、お客様自信が競合他社の先を行き、ビジネスでのイニシアティブをとることです。私たち営業は、その期待に応えなくてはならないのです。
全方位で最前線を走り続けることなどできません。でも、ITやお客様の業務分野でに限れば、日々の訓練は、間違えなく成果をもたらしてくれます。
日常の仕事に全力を尽くし、その経験から学ぶべきことは、少なくありません。しかし、それだけでは足りないのです。
もし、営業としてプロフェッショナルを目指すのであれば、自分の土俵を他人と同じ高さにおいているようでは不十分です。
48時間走に挑む彼ら。彼らの訓練は、愚直に走り続けることです。それが彼らのOJTです。ただ、その距離が人の何倍も長距離です。そして、長く走り続けるために必要な、医学や栄養学、運動学などの知識の吸収にも余念がありません。
48時間走り続けた身体は、生理学的には、生存不可能な生体組成になるそうです。たとえば、心臓の動きを止めてしまうカリュウム値は、ほぼ致死量に匹敵する値だそうです。それでも死なない体を作るために、高度な知識と訓練が必要なのだそうです。
学んだことを知識に終わらせること無く、自分の走りに応用し、その成果を試してみる。その繰り返しの積み重ねの中で、かれらは人並みはずれたパフォーマンスと精神力を養っているのです。
営業という仕事にも、経験や精神力は、不可欠です。しかし、それと同時、科学や理論も必要です。この組み合わせを持たない営業は、自らの成長を放棄したも同じです。また、そのチャンスを与えてこそ、営業が育つという、実に当たり前のことに関心を示さないマネージメントや経営者は、営業成績を上げようという努力を放棄したも同じです。
48時間走は、ただひたすら走り続けるという実に単純レースです。しかし、それを極めた世界には、大きな感動があります。そのレースを走った人も、それを応援する人も、その感動に心を動かさずにはおれません。
お客様に感動を与え、買いたい、一緒に仕事をしたいという気持ちになっていただけなければ、仕事を受注することはできません。その力を持つために、訓練をする。とても、当たり前なことだとは、思いませんか。
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