「売れる商品がないから無理です。」
「うちには、今デリバリーできるSEが足りないので、売るに売れません。」
「お客様の体制が整わないので、今期は難しそうです。」
・・・
「じゃあ、売れる商品を他に探してみたの?」
「どこか、パートナーを探したり、相談したの?」
「お客様の社長には、お願いしてみたの?」
・・・
全ての条件が整い、お膳立てができている仕事などありません。だから、営業は楽しいんです。
自分の知恵や工夫次第で、難しいビジネスを自分の思い描いた方向に進めることができる。思わぬトラブルに見舞われながらも、それに対処する。そして、目的を達することができたなら、その喜びは、営業ならずとも、誰もが満足感に浸ることができるはずです。
営業という仕事に関わり、27年が経ちました。苦しくつらいこともたくさんありました。それでも未だに営業という仕事に関わり続けていられるのは、そんな喜びの体験があるからだと思います。
このブログをごらん頂いている方の中には、若い営業の方もいらっしゃると思います。
そんな皆さんに伝えたいことは、営業という仕事を楽しみましょうと言うことです。
楽しむかどうかは、自分次第です。他人にほめられることも嬉しいことですが、それよりも何よりも、自分として納得できるかどうかが大切です。プロフェッショナルを目指すならば、妥協しないこと。難攻不落の要塞を崩す。そんな戦いに自ら身を投じてこそ、楽しみは大きくなるです。
楽しむためのもうひとつの秘訣は、自分の意志で行動することです。
誰かに言われたから、上司の命令だから、仕事だから・・・きっかけは、その通りかも知れません。ならば、それを自分なりのアレンジをして、自分の目標に組み入れてしまいましょう。自分がイニシアティブを取って、行動すると言う感覚が大切です。
「いいですね。おもしろそうじゃありませんか。喜んでやってみますよ!」
「自分にできないわけがありません。自分ができなければ、他にできる人などいませんよ。」
そのぐらいの図々しさで、仕事に取り組むのも、仕事を楽しむテクニックです。
以前ご紹介したことでもありますが、ソリューション営業は、プロデューサーとなって、ひとつの作品を仕上げることです。
プロデューサーの仕事は、まずビジネスの全体像をつかむことです。目標を定め、体制を把握し、スケジュールを考えます。そして、適切にリソースを配分し、進捗を管理しながら、事態の変化に的確に対応することです。これは、とても高度で専門性の高い仕事です。そのプライドを持つことが、営業という仕事の原点です。
営業は、ジェネラリストという意見も少なくありません。確かに、幅広く人や知識、組織に関わる仕事ですから、そういう一面もあるでしょう。しかし、ビジネス・プロデュースのスペシャリストであることも、大切な要素です。
「プロデュースは、PMの仕事ではありませんか?」。
そんなご意見もあるかも知れません。確かに、PMもデリバリーの進行に於いては、プロデューサーとして役割を果たします。しかし、営業は、デリバリーに持ち込む以前に、プロジェクトそのものを成立させるために、リソースや時間をプロデュースしなければなりません。役割が違うのです。
「そうはいいますが、経験がなければそれはできませんよ。」
確かに経験も大切です。しかし、それ以上に大切なことは、自分がプロであることの自覚であり、高い目標をこなそうという志しです。それに年齢や経験は関係ありません。小松菜農家のヒデくんのように、自分の仕事にプライドがあれば、経験は、速やかに自分の知恵やスキルとして積み上げられてゆきます。
楽しむとは、成長することです。プライドを持ち、ビジネスのイニシアティブを取る。そのために工夫や努力を楽しむ。それが、成長への早道だと思っています。