昨晩、沖縄から帰ってきました。沖縄の暖かさに慣れた体には、東京の寒さがいつも以上に厳しく感じられます。
29年ぶりの沖縄でした。当時、沖縄の友人宅のトヨペット・クラウンが、まだ左ハンドルだったことを覚えています。たぶん、自動車が右側通行から左側通行に変わった翌年だったと記憶しています。
さて、ホテルに到着し、チェックインまでに時間があったので、まずは走ることにしました。ランニングウェアに着替え、国際通りに面したホテルから首里城まで走りました。4キロほどの道のりは、かなり急な上り坂が続き、のんびり走るつもりでしたが、いい練習になってしまいしまた。
那覇の東部、高台にある首里城は、古の琉球王朝の王宮であるとともに、遠来の使節を接待する場所として建てられたところだそうです。以前訪れたときには、古びた石垣と朽ちた木造の建物といった印象だったのですが、見事に修復され、とても美しい公園となっていました。豪奢だという印象は、まったくありません。控えめながら、中国風とも、日本風とも違う、独特の気品を感じました。
インパチェンス、ハイビスカス、ブーゲンビリアの咲く公園を抜け、「西のアザナ」といわれる物見台に上りました。ここからは、那覇の街とその先にある東シナ海が一望できました。昔はここから港に入ってくる船を監視していたそうです。
首里城から石畳の道を下りました。400年以上前に作られたものだそうですが、今でもしっかりと役割を果たしています。急な坂道沿いの家々は、どこも庭の手入れが行き届いています。坂道で日当たりもいいということもあるのでしょうが、この季節でも緑も多く花も咲いています。桜も満開の見ごろ。さすがに南国といった風景でした。
石畳の道を抜け、さらに東へと再び坂を上り、高速道路に沿った広い国道に抜けました。車道も広いのですが、歩道も広く、どこかアメリカの道路のような雰囲気です。その道を那覇空港に向かって、今度はひたすら緩やかな下り坂を駆け下りました。「南風原町」と書いて「はえばるまち」というのだそうですが、いかにも沖縄らしい名前の町を抜けて、ラムサール条約の登録湿地となっている「漫湖」を横に眺めながら奥武山公園へと向かいました。
国道沿いに臨む漫湖の周りには、うっそうとしたマングローブの林が広がっています。本土では見ることのない風景を楽しみながら、さらに足を進めました。
奥武山公園では、沖縄県内の物産展を開催しており、離島や各地域の名まえが描かれた幟(のぼり)を立てたテントでは、各地の名産品の販売や試食、そしてにわか作りのレストランがたくさんの人を集めていました。そんなところで、おいしい沖縄の食べ物をつまみ食いをしながら公園を抜け、再び那覇の街中に向かって走り出しました。
那覇で一番の目抜き通りである国際通りを抜け、ぐるっと18kmをのんびりと2時間近くかけてホテルに戻りました。そそくさとシャワーをあびて、ビールを飲もうと外へ飛び出しました。近くにあった、居酒屋へ飛び込み、オリオンの生ビールを一気に飲みほしました。気温20度を越えるなかを走ったせいで、すっかり乾いていた身体。細胞に染み渡るおいしさをこころから堪能しました。
再び、国際通りをぶらぶらと歩いていると、ちょっと懐かしい商店街を見つけました。そこに公設市場の看板。ぶらりとはいってみると庶民の食材が、所狭しと並んでいましす。何を買うでもなく、うろうろとしていると・・・
おばあ 「おにいさん、どっからきたの?」
わたし 「東京から。さっきついたところです。」
おばあ 「仕事?いつ帰るの?」
わたし 「あさってかえります。」
おばあ 「ホテルかねぇ?ひとり?だったら、ホテルでビール飲む?」
わたし 「はい。」
おばあ 「だったら、これつまみにしたらいいよ。」
・・・ と有無を言わさず、島らっきょうの塩漬けを私の手の上に乗せて、
おばあ 「おいしいでしょ・・・」とニッコリ
わたし 「おいしいですね。」
おばあ 「だったら、ひとりだし、100グラムくらいでいいかな。」
わたし 「あっ、はい・・」といってしまいました。
おばあ 「これも、おいしいよ」といって、今度はミミガーを私の手の上にのせ
おばあ 「どう?おいしいだろ。うちが一番だから・・・」
おばあ 「これも、100グラムあればいいね。」
わたし 「はい・・・」
結局、しめて800円をお支払いしました。なんとも不思議な空気に包まれ、いつの間にか買い物をさせられ、最後に、わたしから「ありがとう」とひとこと。うわさには聞いていましたが、「沖縄のおばあはすごい」ということが、実感できました。
今回の沖縄は、営業研修の講師という仕事ですが、このおばあこそ、最高の営業です。いずれ、研修でもこのネタを使ってみようかと・・・。なんだか、ちょっとうれしい気持ちになって、公設市場を後にしました。
その後は、こちらでIBMの支店長をしている、IBM営業時代の同期と二人で、泡盛を片手に昔話に花を咲かせました。気がつけば、目覚まし時計に起こされ、ちゃんとホテルのベットに・・・。人間たいしたものだと、自分をほめてあげたい気持ちでいっぱいです(笑)。
そんなことで、沖縄の最初の一日目を無事(?)すごす事ができました。
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