今朝のNHKニュースで、売上低迷の時期だからこそ、保守やサポートなどの付帯サービスを徹底して行っている機械メーカーの話が紹介されていました。
この会社は、保守やサポートで売り上げの減少分を補おうという意図ではなく、景気が回復し、需要が回復したときのために、今からお客様との信頼関係を築き、囲い込みを図ることが目的だそうです。そのために、社員総出でお客様を回り、不具合や要望を聞いているのだそうです。
このような経済状況の中で、「なにかありませんか?」と御用聞きに回っても、新規案件を獲得することは容易なことではありません。ましてや、新規顧客となると、ますます高い壁が立ちはだかっています。
こういうときに、既存のお客様を対象に、保守やサーポートの質を高めるために、運用状況や現状の課題について伺うということで訪問すれば、お客様も積極的に情報を提供してくださるはずです。
もし、同じお客様に競合他社が入り込んでいるとすれば、このような行動を示すことで、お客様は他社との違いを意識されるようになるかもしれません。それが結果として、いままで相談されなかったことも相談されるかもしれません。また、昨日ブログにも書きましたが、コスト削減のための新たなプロジェクトのネタを仕入れることができるかもしれません。お客様の信頼を高めつつ、新たなビジネスの糸口を見つける。そんな機会になるのではないでしょうか。
ただし、ただ漫然と「なにかシステムの不具合はありませんか」と伺うだけでは、芸がありません。これでは、「何かありませんか?」と、御用聞きに伺うことと、たいした違いはありません。お客様も、何を話していいのかわからないでしょうし、突っ込んだ情報を聞き出すことはできません。
そこで、事前にお客様の状況をうかがうアセスメント・シートを用意しておくとか、伺うお客様の不具合や課題について、あらかじめ仮設を立て、それを確認しながら、状況をうかがうようにしてはどうでしょう。そうでもしなければ、単なる暇つぶしとお客様に受け取られかねません。
こういう時期だからこそ、徹底して既存のお客様を深堀する。そのきっかけとし、「保守やサーポート」を切り口としたアセスメントや健康診断を仕掛けてみるというのはいかがでしょうか?