「商品の魅力とは、購入者の満足に比例する」
商品の機能や性能は、お客様の満足を高める大切な要素ではある。しかし、それがすべてではない。
今の世の中、「唯一無二」のIT製品などなかなかお目にかかれない。それぞれに特徴があり、優位性はあっても、絶対的なものではなく、一長一短がある。そのような商品同士の比較の中で、商品だけに着目して、その良さを訴求しようとしても、自ずと限界がある。
「ソリューション・ビジネスは、“商品がない”からスタートする」という話を以前にもしたが、お客様の求めているものは、ハードウェアやソフトウェアではない。お客様は、課題を解決したいのであって、商品を購入したいわけではない。ハードウェアやソフトウェアは、課題解決の手段を構成するひとつの要素に過ぎない。それら要素の組合せが、自分にとって最もふさわしいものであることを見極め、購入を意思決定する。
お客様が求めているものは、[楽]X[確実]X[安価]である。
これは、足し算ではなく、かけ算であることに意味がある。お客様にとって、楽にしかも確実にできるという確信があるならば、価格については、多少他社より高くても仕方がないだろうと思って頂ける。
商品を含む、あなたが提供しようとする課題解決の手段=ソリューション=「個々のお客様に最適化された組み合わせ」を提供できれば、お客様の満足は高まり、結果として、商品も魅力的に見えるはずだ。
ただ、これをすべてのお客さまごとに個別に作るということになると、担当する営業の力量に左右され、会社全体の効率は期待できない。
そこで、お勧めしたいのが「ソリューション・パッケージ」という考え方。その商品をお使いいただくお客様が、楽して、確実に、効率よく利用できるサービスや仕組みを組み合わせのひな形を作り、必要に応じて、その組合せをカスタマイズして提供するという考え方。
たとえば、VMを売ろうとする場合、
- VM適用による効果や概算費用を算定するアセスメント
- 導入計画策定セッション
- 商品(VM+ハードウェア)
- 運用最適化支援サービス
- リモート監視サービス
- ポイント制 保守・サービス・パッケージ(基本+サービスやインシデント対応)
- ・・・
というような組み合わせが考えられる。
このような組み合わせを「VM最適活用ソリューション・パッケージ」という自社のオリジナル商品として提供できれば、お客様の満足度は高まるだろう。同時に、無償の「サービス」は減り、利益のかさ上げにも貢献する。
これは競合他社への差別化にもなる。自分たちならではのオジナルな組み合わせを提供できれば、同じ商品を販売している他社との競合に対し、優位を築くことができるだろう。
「商品の魅力とは、購入者の満足に比例する」
購入者の満足を高めるためにどうすればいいのか。そのための手段を考え、最適な組合せを創り出す。ハードやソフトは、お客様の満足を高めるための手段のひとつであることを忘れてはならない。
手段が一人歩きしてしまい、「この商品は、こんなにすばらしいものなんです!」と力説するだけでは、お客様は、自分がどれほど満足できるかを思い描くことなどできないだろう。それでは、商品の魅力は伝わらない。