このケースをご覧になって、別におかしなところはないのではと思われたら、直ぐにでも「ソリューション営業プロフェッショナル養成講座」に申し込んでください(笑)
まあ、ほとんどの方は、「これじゃあねぇ。お客様から連絡来なくて当然ですよ!」と思われたのではないでしょうか。
では、ソリューション営業としての間違えを考えてゆきましょう。
■ 間違え(1)製品説明は提案ではありません
ソリューション営業の提案とは、お客様の課題を解決するための手段を提示することです。このケースでは、「提案」したのではなく「製品説明」をしたに過ぎません。
この程度の話しなら、お客様でもインターネットで検索して情報を手にすることができます。お客様にとっては、検索の手間を省くことはできたかもしれません。また、立派な製品説明資料ですから、プリンターで印刷するよりは、きれいでわかりやすいかもしれません。しかし、その程度の話しです。製品説明はしました。しかし、お客様のどのような課題に答え、その解決の筋道は、お客様に自分で考えてくださいとでも言うのでしょうか?これは、ソリューション営業では「提案」とはいいません。
■ 間違え(2)説明の場で自社の製品や会社について説明してはいけません
お客様は、製品を買いたいわけではありません。自分の課題を解決したいのです。製品は手段であり、目的ではありません。
このケースでは、営業担当者は、お客様がどんなことに問題を感じているのか、課題があるのかを何ら確認することなく、自分の売りたい製品について語っています。お客様が聞きたいことなど気にすることもなく、自分の伝えたいことだけを語っているにすぎません。これでは、お客様はうんざりです。 自分の製品や会社など、自分のことを語るのではなく、お客様の課題を確認したり、どう解決できるかという筋道を説明する。自分の会社や製品についての説明は、おまけみたいなのです。お客様が、あなたのソリューションになるほど関心を持たれたならば、ところで・・・とあなたの会社や商品について聞いて頂けるはずです。
■ 間違え(3)お客様の感謝の言葉は、もうお帰りくださいのメッセージ
「いゃ~、本当にすばらしい製品ですね。いいお話を聞かせて頂きました。ぜひ検討させて頂きます。改めてこちらから連絡させて頂きます。今日は有り難うございました。」とは、「ぶぶづけ、いかがどす?(=お茶漬けでもいかがですか?)」と同じです。そろそろ時間です、お帰りくださいのメッセージです。それを真に受けているようでは、ソリューション営業は失格です。もし、お客様が興味を持たれ、真剣に検討したいのならば、価格や性能、あるいはサポートなどについて厳しい質問が飛んでくるはずです。自分たちが導入したときのことを想定した質問です。そのような質問など一切なかったわけですから、この時点で気が付くべきでしょう。
■ 間違え(4)プレゼンテーションはきっかけに過ぎません
製品説明は、課題を確認したり製品に関心を持って頂くためのきっかけに過ぎません。お客様の「すばらしい製品ですね」を真に受けて、その後のフォローをせずにただ待っているだけでは問題です。説明をきっかけにお客様の関心や課題を探り、あるいは競合他社の動きを探る。基本中の基本です。
■ 間違え(5)だめだと言われたところからが営業活動の新たなスタート
「今回はA社さんの製品を買うことに決めました。」と断られたのなら、なぜ断られたかを探るべきです。その理由が分かれば、次に同じ失敗を繰り返さなくてすみます。今回は、ダメでも次は成功させる。そんな意識がスキルアップにつながります。
さて、あなたは、いくつの間違えを見つけることができましたか?