高級なフレンチのレストランで食事をする。美味しい料理にビンテージのワイン、そして、雰囲気のいい装飾や内装に、こだわりの食器。非日常の演出でもてなしてくれます。お客様の期待を越えて、驚かせ楽しませ、そして満足してもらうためにはどうすればいいのかを考え抜いたモノです。自分で同じモノを作ることも、同じ演出をすることもできません。だからこそ、高くても、ありがとうと感謝を込めてお支払いできるのです。
営業である私たちもお客様に対して、同じもてなしをしているでしょうか。お客様に「ありがとう」と言われてお支払いを頂いているでしょうか?そんな仕事をしたいものだと思います。
フレンチのシェフが、私たちを楽しませ、驚かせてくれるのは、我々にはない豊富な料理の知識を持っているからだけではありません。それだけなら、我々もある程度は本やインターネットで手に入れて、まねをすることだってできます。しかし、彼はそれだけではなく、お客様の好みや季節に合わせて、豊富な知識を素材にして、なるほどと納得させる組み合わせを創り出し、素人にはまねのできない感動を与えてくれるのだと思います。
ITビジネスの世界でも同じことです。知識に於いてお客様も我々も土俵は同じです。インターネットで検索すれば、あなたの製品に限らず、他社の製品や業界の動向など、相当の知識を手に入れることができます。
かつては、製品や業界の知識は、営業の武器でした。営業は、お客様が知らない情報を携え、情報をコントロールすることで、お客様の優位に立つこともできました。しかし、今では価格でさえ、簡単に手にはいる時代です。
提案と称して、パンフレットの内容を説明しても、インターネットで仕入れた情報で多少の化粧を施しても、それはお客様が自分で手に入れられる知識の範囲を超えることはできません。お客様もそんなモノは期待していないでしょうし、そもそも競合他社との差別化などできません。そこが苦しいところです。
それらをどのように組み合わせるのか。お客様ごとに必要とするもの、課題は違います。加えて、時勢の変化、お客様の業績や事業戦略、業務上の問題・・・そういう個別の課題に合わせて、いろいろな素材を使って、お客様毎の最適な組み合わせを作り上げる。これがソリューション提案です。
簡単なことではありませんが、もし、そんな提案ができれば、お客様に「ありがとう」と感謝され、喜んでお支払頂けるはずです。
そんな仕事のスタイルを目指したいとは思いませんか。