「IoTや人工知能を使って、うちでも何かできないのか?!」
こんな話しが経営者かふってきて、さてどうしたものかと現場が頭を抱えている、そんな話しを耳にすることがあります。世間でIoTや人工知能が話題になっているので、乗り遅れてはいけないと言ったところでしょうか。
しかし、「IoTや人工知能を使うこと」が目的ではないはずです。何らかの課題を解決したり、新しいビジネス・ニーズを満たしたりすることが目的のはずです。その目的をはっきりさせないままに、「手段」を使うことを目的に新規事業を考えるというのは本末転倒な話しです。
一方で、IoTや人工知能などのテクノロジーはこれまでの常識を大きく変えてしまいました。これまでにできなかったことができるようになるのです。そんなIoTや人工知能の可能性やビジネスへの影響を正しく理解し、新しいビジネスの可能性を考えることは意味のあることです。
ITベンダーやSI事業者が、これからの新しいテクノロジーを切り口にビジネスのきっかけを切り拓こうというのは、お客様に課題解決の新たな選択肢を与え、新しいビジネス価値を創造してもらえる可能性があることですから、大いに取り組むべきでしょう。しかし、先にも申し上げたとおり、「IoTを売ること」や「人工知能使ってもらうこと」が目的ではありません。
- お客様の課題は何か
- どうすればその課題を解決できるか
- そのための最善の手立ては何か
その最善の手立てを考える時、「過去の常識」や「これまでの実績や経験」にだけ頼るのではなく、IoTや人工知能などの「新たな手段」をも選択肢とすることです。結果として、IoTビジネスや人工知能ビジネスがうまくいくのだと言うことを忘れないようにしたいものです。
このチャートは、いくつかの「IoTビジネスの成功例」として紹介されたものを「なぜ取り組んだのか」、「どのように取り組んだのか」という観点で整理したものです。
多くの事例に共通するのは「IoTで何かをしよう」と考えたわけではなかったことです。人材の不足、競争の激化、環境変化の速さといった直面する課題を解決しようとしたとき、「いまでき得る最善の手立ては何か」を追求し解決策を模索した結果、気がつけば「IoTだった」ということです。
また、決して新しいことばかりを取り入れたわけではありません。既に社内に蓄積されていた技術要素やノウハウを新たな目線で組み立て直し、そこに新しい要素を付加することで、業界の常識を変えてしまったというケースもありました。
ITベンダーやSI事業者は、工数を提供することや求められることに応えることだけでは、やがては自らの存在価値を失ってしまいます。ここに紹介したように、お客様の抱える課題解決に取り組むために、テクノロジーの視点から「あるべき姿」を示すことができなければなりません。
「このやり方で、これだけの人材を提供して欲しい」に、「ならば、もっといい方法があります。」と新しい常識で解決策を提示できてこそ、お客様は存在意義を認めてくれるでしょう。
もちろんそのようなことが言えるようになるためには、新しいテクノロジーについて知識や経験の蓄積が必要です。そのためには試行錯誤を繰り返しながら学んでゆくしかありません。幸いにも、新たなテクノロジーを試せる機会の多くはクラウドが提供してくれます。そして、そのコストも決して高いものではありません。「失敗のコストかからない」ということです。だからこそ、そんな失敗を積極的に許容し、試行錯誤をすすめてゆくことが大切なのだと思います。
新しいテクノロジーを「売り」にするとは、テクノロジーを売ることを目的とするのではなく、新しいテクノロジーをお客様の課題解決の手段として使える力を備えておくと言うことです。
「向き合うべきはお客様の課題である」
この原点を忘れないようにしたいものです。
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