東京の街中から警察官とパトライトの明かりが消えました。オフィースが半蔵門にあるため皇居に近く、いったいどこから集まってきたんだと言うほどの警察官と警察車両が街を埋め尽くしていました。おかげで、治安状況は完璧でしたが・・・
サミットも終わり、普通の日常に戻ったのはいいのですが、いったい何のための騒ぎだったのかと首をひねっているのは、私だけではないと思います。
政治的なことをここで申し上げるつもりはありません。ただ、369億円という税金を使い、「地球温暖化ガス排出量を2050年に半減する目標を共有する」というなんとも曖昧な表現です。首脳宣言の要旨も読みましたが、ソリューション営業プロフェッショナル研修でもお伝えしているSMARTな表現とはほど遠い内容でした。
SMARTとは:Specific:具体的、Measurable:測定可能、Achievable:達成可能、Realistic:現実的、Time-bound:時間制限 の頭文字をつなげたもの。
交渉は駆け引きです。国益を重視することは当然だとおもいます。しかし、地球温暖化の問題は、国益を越えた次元の話しではないかと思うのです。国益を優先して相手を打ち負かし、自国の立場を有利にする。そういう次元の話しではないはずです。国家を越えて、「地球温暖化」というひとつの敵を一緒になって打ち負かすことが、もとめられているのだと思うのですが、そんなことは夢物語なのでしょうか。
営業での交渉事でも、同じです。お客様を打ち負かして受注し、結果としてお客様の課題を解決できなければ、お互いに不幸になるだけです。それよりも早い段階で、課題を共有しそれを打ち負かすという「同士の視点」を共有すれば、成功も失敗も、お客様と共有できますし、どっちが悪いなどと言うことにはなりません。
もちろん、はじから失敗を想定して、そのクレーム回避の手段として行うべきことではありません。それでは、本末転倒です。
残念ながら、今回のサミットは、課題があることを認め合ったという程度の成果はあったのかもしれません。しかし、その対価が369億円とは、コストパフォーマンスの悪い仕事ですね。