「お客様を深掘りする」とは、どういうことでしょうか。
比較的規模の大きなお客様の場合、自社のシステム構築や運用を一社に任せているところは少ないのではないかと思います。場合によっては、業務内容や事業所、ネットワークやサーバーなど、複数のベンダーで役割が分かれている場合も少なくありません。
このような場合、部門や業務内容によっては、伝わってこない話もあるはずです。そこで、自社の担当であるかどうかの垣根を越えて、あるいは、お客様の今の窓口にこだわらず、お客様の中の課題や案件を積極的に、広く探り出すことを「お客様を深掘りする」ということです。
見方を変えれば、お客様の中の自社シェアを拡大してゆくための取り組みです。
何度も申し上げているとおり、お客様は、コスト削減、新規プロジェクトの中止や延期など、新たな予算確保には慎重です。となれば、限られた予算の中で、自社のシェアを高めてゆかなければ、生き残るすべはありません。これは、競合他社も同じことで、彼らもまた「お客様の深掘り」を積極的に進めてくるものと想定し、これからの営業展開を考えなくてはなりません。
このような時にまず必要なことは、お客様についての冷静な分析と評価です。意外と分かっているようで、お客様の置かれている状況や課題、経営課題や強み弱み、組織や意志決定プロセス、プロジェクトの進行状況や競合他社の取り組みなど、断片的な情報として捉えていても、整理されていないのではありませんか。
ただ闇雲に走り回るのではなく、目的を持ってお客様を訪問し、情報を収集し、狙いを定めて仕掛ける。競合他社に対して、優位を確立するためには、そんな冷静な取り組みが必要になります。
このように「お客様を深掘りする」ための武器となるのが、APS(Account Planning Sesion)です。APSは、お客様を深掘りするための作戦計画を策定するための手法です。営業だけではなく、SEやサポート部門、マネージメントが一堂に会し、特定のお客様について徹底的に分析し、議論します。
来週予定している「ソリューション営業プロフェッショナル養成講座[管理者コース]」でも、実際の書式と共に、その実施方法を詳しく取り上げる予定ですので、ご興味があれば、是非ご参加ください。
黙っていても売上が上がる時代ではありません。むしろ予算全体が削減の中で、このままでは当然自社の取り分は目減りします。それを阻止するためには、勝つためのシナリオを固めて積極的に攻めるしか道はありません。
APSは、「お客様を深掘りする」ための武器として、お役に立つのではないかと思います。
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