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お客様に、「何か課題は、ありませんか?」あるいは、「何かお困りのことはないでしょうか?」と質問しても、「ありません!」と言われてしまえば、それ以上に話が先に進みません。
「ソリューションとは、お客様の課題を解決すること、あるいは、その手段」と昨日のブログで申し上げましたが、お客様の課題がわからなければ、解決のしようがありません。
こんな現実に直面している営業マンも少なくはないはずです。特に、新規のお客様の場合、面識もなく、お互いに気持ちが通い合いません。そんな場面で、「何かお困りのことはないでしょうか?」と聞いてみても、「なんで、見ず知らずのあなたにそんなことを話さなきゃいけないんですか・・・」ということにもなります。
たとえ面識のあるお客様であっても、お客様が自分の課題を認識していないこともあるわけです。ですから、「何かお困りのことはないでしょうか?」と聞いてみても答えられるはずはないのです。
こんなときに有効な手段が、仮説検証のアプローチです。このブログでもたびたび紹介していますが、お客様の情報を可能な限り事前に収集し、「きっと、このお客様は、こんな課題を抱えているのではないか。」と仮説を用意する。そして、お客様を訪問し、「御社では、このような課題をおもちではありませんか?」とたずねてみるのです。
「何かお困りのことはないでしょうか?」と「御社では、このような課題をおもちではありませんか?」との違いは、オープン・クエッションかクローズド・クエッションという違いです。
前者は、答えはいくらでもあります。「ありません」もそのひとつですが、お客様もどの範囲で、どう応えればいいのか、困ってしまいます。
それに対し、後者の答えは、「あります」か「ありません」のいずれかであり、あるいは、「よくわかりません」となります。答えは、この三者択一となるのです。お客様の思考は、ひとつのテーマに集中します。その結果、具体的に状況をイメージできるのです。
このように、仮説を提示し、それを検証するというアプローチで、お客様の課題を明らかにすれば、「ありません」で会話が終わってしまうことはないのです。
さて、どこがプロダクト営業と関係があるかということですが、実は、プロダクトとは、きわめてわかりやすい「仮説」であるということです。仮説検証のアプローチを使う上で、プロダクトは、お客様にも、営業マンにとっても、とても使いやすい「仮説」なのです。
プロダクトというのは、ハードであれ、ソフトであれは、すべては何らかの課題解決の手段として作られたものです。つまり、何らかのビジネスモデルや業務プロセスが、その前提にあります。このビジネスモデルや業務プロセスは、多くのお客様に共通したものです。ですから、お客様について情報を収集し、お客様にそのプロダクトの前提となっているビジネスモデルや業務プロセスが存在するようであれは、同様の課題が存在し、その解決策をお客様が求めている可能性は、きわめて高いといえます。
つまり、「御社では、このような業務をされていると思うのですが、でしたら、こんな課題をお持ちではないでしょうか?もし、そうでしたら、その課題を解決する手段として、このプロダクトは、このような方法で、お役に立ちますよ。いかがでしょう?」と聞いてみる。
すると、お客様は、「なるほどそうですね」というかもしれないし、「うちはもう解決できているからいりません」というかもしれません。あるいは、「確かにこの部分は使えるけれども、これは余計ですね。」あるいは、「確かに使えますが、こういう機能や仕組み、あるいは、サービスがあると使えると思いますよ。」と教えてくれる。
この会話を繰り返してゆくことで、お客様の課題を掘り下げ、お客様に必要な「解決策」を明らかにできるのです。
プロダクトを売上げを上げるための「商材」と捉えるのではなく、お客様の課題を探り出すための「仮説」として、使ってみてはどうでしょうか。結果として、お客様の課題が全体として明らかとなり、そのプロダクトだけではなく、より大きなビジネスの可能性を探り出すことができるようになるのです。
このように、プロダクト営業は、ソリューション営業のひとつのアプローチのスタイルです。どちらが優れているとか、対峙するものではないのです。むしろ、プロダクトというわかりやすい仮設を武器に、お客様の課題解決に貢献するソリューション営業を自信を持って推進されてはいかがでしょう。
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