「お客様に信頼される営業になりたい。」
営業であれば、誰しもそれを願う。そうなるための方法のひとつは、お客様より「モノ知りである」ということだろう。
「斎藤さん、SaaSって最近良く聞くけど、これなんなの?」と聞かれ、「ああ、サーアスですね・・・」と笑顔を浮かべる。そして、そのままで、フリーズ!
これでは、お客様の信頼など得られるはずは無い。
そんな営業の悩み(?)を解決し、「知的にかっこよく」をテーマにはじめた「ソリューション営業塾」も昨日で5回目を向かえた。
毎週火曜日の就業後、18:30からの2時間。志の高い営業18名が集う。宇都宮から毎週通ってこられる方。自分のためと自腹を切って参加される方など、講師側のわれわれも頭が下がる思いだ。
初めての試みでもあり、走りながらの資料作り。参加される皆さんの熱い思いに応えなければと、つい気合を入れてしまう。おかげで、いつも重たい資料になってしまう。
パワーポイントで作ったプレゼンテーション資料は、そのまま参加者にソフトコピーでお渡しする。社内の研修用、あるいは、お客様への説明用として、ご活用いただければと考え、そんな結論下した。
「ソフトコピーまでいただいて、本当にいいんですか?」という、質問をいただいたこともある。「営業塾で知識を仕入れても、それを実際に使ってみなければ、定着しませんよ。どんどん使って、自分でも手を入れて、自分のものにしてください。」と申し上げている。
テクノロジーの世界は、日進月歩だ。半年たてば、もうそのままでは使えない。だから、次回開催するときには、また違うテーマ、あるいは、内容を更新しなければ、営業の武器にはなり得ない。そんな緊張感を自らに課すためにも、資料はお渡しすることにした。おかけで、参加者の誰よりも、私たちが勉強させていただいている。感謝!
この5回のメインテーマは、次のようなものだ。
- クラウド・コンピューティング
- 仮想化
- ネットワークセキュリティ
- オープン・ソース・システム(OSS)
- メインフレーム
上記以外にも、最新トレンドについても紹介している。
- リッチクライアント
- 最新ブラウザー事情
- Ajax
- Windows7
よく耳にはするキーワードだが、整理してお客様に説明できるかと問われて、自信を持って首を縦にふれる人は少ないのではないか。
一緒に講師を務めている大越さんは、最新のWebテクノロジーやセキュリティには、めっぽう強い。業界の裏(?)事情にも精通している。
どこかの冠セミナーとは違い、メーカーの拘束は無い。公平に、客観的に整理し、体系的に説明できるよう心がけている。もちろん、ビジュアルも多用し、直感的に理解してもらえる工夫も怠らない。そんな資料をすべてソフトコピーで差し上げている。
どちらも、営業として「必要な範囲」を心がけて制作したている。営業は、技術者ではない。技術的な詳細を理解する必要は無い。大切なことは、
- その言葉がいったい、どういう歴史的背景、思想から生まれてきたのか。
- これからのトレンドはどうなるのか。
- 体系的、構造的な位置づけ。
- 自分たちのビジネスにどう活かせるか、あるいは、影響するのか。
- ・・・
つまり、お客様の話がわかること、そして、お客様にわかりやすく、要領よく要点を説明できること。そして、提案活動を行ううえでの「ソリューション」データベースの厚みを増すことだ。そこに狙いをすえている。
また、おまけとして、「営業スキル編」も毎回20分程度実施している。
- 状況をこちらの有利に展開する交渉術
- 説得の科学
- 顧客満足の科学
- セールス・コーチング
が、これまでに実施したテーマだ。おまけのつもりだったが、これが意外と評判がいい。そんなおだてに乗せられて、こちらも手が抜けなくなってしまった。
メインテーマについて、少し紹介をしよう。
クラウドコンピューティング
バズワードだ、営業トークだといわれて入るが、その本質を掘り下げてゆくと、明らかにこれからのシステムの利用形態が見えてくる。初期コストの削減、システムコストの変動費化は、不況下の今の企業にとっては、システム利用のキーワードとなっている。クラウドを整理分類し、その実現技術を整理する。ばら色の未来ばかりではない。どんな課題があるのか。そのうえで、どんな用途を考えればいいのか。また、自分たちのビジネスにどう結びつければいいのかを解説した。
仮想化
これもまた、今のトレンド・ワードといえるだろう。しかし、一言で仮想化といっても、
- サーバーの仮想化
- ネットワークの仮想化
- ストレージの仮想化
- ディスクトップの仮想化
- アプリケーションの仮想化
と、すらすらいえますか?
それぞれの技術も狙いも違う。その違いを体系的に整理し、課題やビジネスの可能性に言及した。
ネットワーク・セキュリティ
これもお客様にとっては、大きな関心事だ。しかし、その範囲も広く、言葉の意味も複雑に絡み合っている。それをえいゃぁ!と整理し、体系化した。たぶん、世界でもっともわかりやすく整理された体系図になったのではないか(笑)。また、ウイルスや不正アクセスの手口、技術的原理なども説明するとともに、今後のトレンドについても追いかけてみた。たぶん、この営業塾の参加者は、この複雑怪奇なネットワーク・セキュリティをもっとも簡潔明瞭に説明できるようになったはず(?)だ。
OSS
「OSSは、タダ」と思っていた。しかし、実はまったくそんなことは無い。なるほど、裏でそんな仕組みが動いていたのかと、驚いた。この世界で切った張ったをやってきた大越さんならではの整理学。なるほどよくわかった。OSSは、一般的なパッケージソフトの競合にもなる。だから敵を知らなければ、困るわけだ。しかし、内実がわかれば、これは使えるかもしれない。そう思った参加者もおおいのでは。
メインフレーム
いまさらレガシーなメインフレームを知ってなんの役に立つのか。そう思った人も多いのではないか。オープン・システムこそ最先端、メインフレームなど歴史の遺物と思っている人たちの目からうろこを取り払う内容にしたつもり。実は、メインフレームこそ最先端なのです。オープン・システムは、メインフレームの過去の遺産で出来上がっている。仮想化なんて、50年前に実用化しているし、ワークロード管理など、今のオープン・システムでまともに動いているものは少ない。3900台のLinux/PCサーバーを30台のメインフレームに統合し、TCOを80~90%削減しようという意欲的な取り組みも行われている。ちなみに、今のメインフレームで、50年前のプログラム・コードも動くし、LinuxやWindowsも動くことをご存知ですか。しかも、数百、数千の仮想マシンが同時に稼動できるという事実。とてもPCサーバーではできない世界です。メインフレームを知れば、これからのオープン・システムのトレンドが見えてきます。そして、メインフレームは、クラウドの世界で大きな役割を果たそうとしている。そんなことを話しました。
どうです。こんな知識とプレゼンテーション資料を手に入れたくはありませんか?このつぎは、暗号化、セキュリティ・スタンダード、ITIL、国際会計基準などを考えている。
ご相談大歓迎です!