「どうしたものか・・・やる気がないのでしょうか。いくら言ってもちゃんとやらないんですよ。」
ある営業課長から、そんな嘆きの言葉を聞いた。
「どうすれば、若い者にやる気を起こさせることができるんでしょうか。所詮、やる気のないやつらには、何を言っても無駄なのでしょうかねぇ。」
彼の話を聞きながら、またか・・・と思ってしまった。
営業にやる気がないから、予算が達成できない。彼は、そう考えているようだが、本当にそうだろうか。
確かにやる気がない人もいるだろうが、そういうケースはまれである。むしろ「やり方がわからない」ことが、本当の原因ではないのか。
「どうやるか」を棚上げして、部下の「やる気のなさ」に文句を言う。それでは、本末転倒のような気がする。
ある若手の営業が、こんなことを言っていた。
「課長は、なんとしてでもこの案件を取ってこいといいます。自分もそうしたいと思うし、それが自分の仕事だと自覚しています。ただ、どうすればいいのか、よくわからないんです。課長に相談しても、役に立ちそうなアドバイスはもらえません。結局は、自分で考えろ!ということのようです。これでは、やる気もおきませんよ。」
高度成長時代、お客様に行けば、案件は、いくらでも拾える時代があった。そんな時代に現役営業として活躍した人が、今はマネージメントとなっている。しかし、その成功体験は、今は使えない。
コスト削減、選択的投資は、時代の流れである。不況がそれにますます拍車をかけている。靴をすり減らせば売れる時代は、過去の栄光に過ぎない。そんな古びた成功体験だけを頼りに、「やる気」などという精神論だけで部下を育て、今の時代を生き抜くことなどできないという自覚を持っていない人も少なくないようだ。
「どうやるか」は、時代とともに大きく変化する。そして、お客様の選択肢がかつてないほど多様化し、厳しく選択される時代にあって、「どうやるか」は、ますます難しくなっている。
それを部下任せにし、自分は数字の集計と上司への言い訳を考えることに時間を割いていて、本当にマネージメントとしての役割を果たしているというのだろうか。
部下のやる気のなさは、「どうやるか」を伝えられない、自分の力不足と心得るべきである。
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