「知ったかぶり」は、確信犯だ。知らないことへの自覚がある。一方の「知ってるつもり」は、本人に自覚が無い。知っていると思っているから、始末に悪い。
私は、営業に「知ったかぶり」は、ある程度許されると思っている。いうなれば、ごまかしが利く。
たとえば、お客様から、「今度、うちでもグリーンIT対策をすることになったんだが、そのためにサーバーの仮想化に真剣に取り組もうと思っていてねぇ。斎藤さん、どうすればいいかなぁ?」などと聞かれたとしよう。
それに対して、「わかりました、部長。私どもも全面的にお手伝いさせていただきます。ただ、安易な意見は、方向を誤ります。御社の状況をしっかり調べさせていただいて、あらためて、私の考えも申し上げさせていただきますよ。」と言い逃れができる。
お客様にしてみれば、なんだか、しっかりしているなぁ、頼りになりそうだと、ありがたい誤解となる。
しかし、本人には、「グリーンIT」や「仮想化」について、よくわかっていないという自覚がある。だから、これで時間稼ぎをして、「これはやばいぞ・・・勉強しなきゃ。」と必死で勉強して、後知恵でなんとかつじつまをあわせることもできる。なんとか面目を保つことができるだろう。
しかし、「知ってるつもり」は、そんな自覚が無いから困る。自分の浅知恵で、適当なことを言いかねない。インターネットが普及し、マルチベンダーが当たり前の世の中で、お客様もそれなりに勉強されているはず。そんなお客様には、簡単に見抜かれてしまう。営業の信用は、ガタ落ちだ。
営業だから、すべてに詳しい専門知識など必要ない。広く浅く、知っていれば十分。ただ、以下の3点は、しっかりと抑えておく必要がある。
まず、その技術や製品が生まれてきた背景や歴史、そして、その思想や目的だ。そもそも、製品や技術は、何らかの課題を解決するために生み出されてきたものだ。その課題がお客様にあればこそ、その製品や技術は、価値を提供する。それがわからなければ、お客様に提案することさえできないはず。
次は、その製品や技術の原理である。細かな実装方法やプログラムの中身を理解する必要は無い。どのような原理で、機能しているかである。それがブラックボックスのままで説明できなければ、お客様は安心できないはずだ。
最後は、その製品や技術がもたらお客様の価値であり、ベネフィットである。コストの削減、運用負担の軽減、売り上げの増大、あるいは、法律や規制への対応といった社会的強制への対応などもそれに当たる。
これらを整理整頓して、理解しておくことが必要だ。
お客様が何を話しているのか、何を求めているのかは、ただ漫然と聞いているだけはつかめない。話しを実際の技術や製品に当てはめつつ、お客様の話を整理整頓してゆくことができる程度の知識がなくては、まともな提案などできるはずはありません。
「知ってるつもり」のままでは、この整理整頓が、正しくできないのです。
「知ってるつもり」にはなっていませんか?謙虚に一歩下がって、「知ったかぶり」になりましょう。そして、知らないという自覚に立って、少しでも、知識の不足を埋めてゆけばいいではないですか。
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SIer、ITベンダーの立場で話しをします。メーカーの商品説明ではありません。
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