「うちの社風というか、変えようとしない上層部の人たちが多く、その人たちを説得するにはどうすればいいのでしょうか?」
「これまでのやり方を変えようとしない人たちがたくさんいます。彼らを変えるには、どのようにすればいいのでしょうか?」
「どんな説明をすれば、分かっていない人たちを分からせ、行動を起こさせることができるでしょうか?」
こんな質問を頂くことがあります。このままではまずい、何とかしなければと感じ、その思いの丈を打ち分けてくれます。
そんな彼らに、私は、次のように答えています。
「人の考えや行動を変えよう、会社を変えようなんて、おこがましいことです。自分を何様だと思っているのですか?」
そして、次のような話をします。
「あなたは誰かから、このように変わりなさい、こういう行動をしなさいと言われて、分かりましたと素直に自分の考えや行動を変えられますか?自分にできないことを他人に期待し、思い通りにならないことに不満を述べて、イライラする。そんな不健全なことに自分の大切な時間を費やすことに意味があるしょうか?」
「人は誰しも変わりたいと自らが思わなければ、行動を起こすことはありません。誰かに言われて、仕方がないからと行動を起こしたところで、長続きしないでしょう。変わらなきゃいけない、変えなくちゃいけないと、本人が自分で気付き、自発的な行動を起こさない限り、なにも変化は起きません。」
「もしあなたが、まわりの人たちを変えたい、自分の会社を変えたいと願うのならば、まずは自分が行動することです。自分が実践し、その姿をまわりに見せることです。そうすれば、まわりは気付いてくれるでしょう。そして、なかには行動を起こす人もいるでしょう。そうやって、自分の行動をまわりに伝染させることです。」
「他人を変えようとするのではなく、まずは自分を変えるための行動を起こすことです。そして、共感の輪を拡げることです。」
「それでも行動しない人もいますが、それは仕方のないことです。そういう人たちに、いくら言葉を弄しても時間の無駄ですから、まずは自分が正しいと感じたことを自ら実践し、模範を示すことです。そうすれば、結果として、人を変えることができるし、会社も変わってゆくはずです。」
そして、次のようなことを話します。
「あなたが正しいと信じ実践し、模範を示しているにもかかわらず、まわりは変わらない、会社が変わらないなら、あなたが間違っているのかも知れません。ただの独りよがりかも知れません。謙虚になって、他人の声に耳を傾けるべきです。自分の考えをぶつけてみるべきです。それでも、自分が正しいと信じることを変えられないのなら、そんな会社は辞めてしまった方がいい。それはあなたの人生にとって、不幸だからです。」
あなたが、世のため、人のために正しいと思うことを実践することです。そういう姿を人は見て、気付き、行動をはじめます。他人を変えようなんて、おこがましいことを考えなくても、そんなあなたの姿に気付いた人たちは、自分で変わってゆくでしょう。
人生100年の時代になり、あなたのこれからの人生を会社に預け、他人の変化に期待して、うまくやろうと思っているのなら、とても虫のいい話です。
会社で通用する自分になることではなく、どこへ行っても通用する自分になることです。そういうあなたに共感し、行動を起こす人たちが増えてくれば、結果として周りの人たちは変わってゆきます。
そういう人を会社は必要としていますから、あなたの役割やあなたの職掌はひろがり、あなたは自分の力で組織を動かせるようになります。そうなれば、あなたは、あなたの意志や行動で、会社を変えることができるようになります。
そし、そうなりたければ、次の3つのことを実践してはどうでしょう。
自分を変える3つの実践
自分のための時間を作ること
行動するために最も大切なことは、時間を作ることです。例えば、始業前の1時間、オフィスで、あるいは会社の近くのカフェで自分のための時間を持つことです。そして、自分の専門スキルを高めるための勉強をする、どこに行っても通用するように語学を学ぶ、教養を拡げるための本を読むなど、自分がやりたいことのために時間を持つことです。
直ぐに仕事に役に立つ、待遇が良くなるなどで学ぶべきテーマを選んではいけません。これは面白そうだ、ぜひともやってみたい、で選んでください。いまは変化の激しい時代です。いまの流行など直ぐに変わってしまいます。そんなことに惑わされることなく、自分の興味や関心の赴くままにテーマを選び徹底して取り組むことです。
人のつながりを拡げること
自宅と会社の往復だけ。話をするのは、社内の人たちとお客様だけ。そんな人生、楽しいですか。世の中は広く、いろいろな考えや価値観を持っている人たちがたくさんいます。そういう人たちと交わることで、気付かなかった自分の可能性に気づき、広い視野を手に入れ、世の中から見た自分の価値を知ることができます。
幸いITについては、勉強会やコミュニティ活動が、毎日のように催されています。そういうところにどんどんと顔を出すことです。そして、その運営に積極的に関わってゆくことです。
人のつながりを拡げる最も有効な手立ては、たくさんの人とのつながりを持つ人と知り合うことです。そして、そういう人たちは、人のつながりを拡げようと、積極的に行動している人とつながろうとします。自分もそのつながりの輪に入れば、人のつながりは一気に拡がってゆきます。そして、それは人生の大きな財産となります。
アウトプットを増やす
ビジネスの世界で「知っている」とは「説明できる」と同義です。どれほど時間をかけて学んでも、それが自分の知識として使えるかどうかは、文書にして説明する、絵に描いてみる、人に説明してみるなど、アウトプットして始めて確認することができます。アウトプットしなければ、いつまでたっても「知っているつもり」の知識に留まってしまいます。
また、1のアウトプットを作ろうとすると、10のインプットが必要になります。ですから、アウトプットを増やせば増やすほど、インプットはその10倍のスピードで増えてゆくのです。インプット増やしたければアウトプットを増やすことが、最善の方法です。
この3つを実践するために自分のお金や時間を投資することです。会社にお金を出してもらおう、誰かに面倒を見てもらおうなんて考えないことです。他人に頼り、自分だけいい想いをしようなんて、そんな都合のいい話は、直ぐに行き詰まります。自腹を切りなさい、自分で考えて工夫することです。そういう態度が、あなたを成長させる原動力になります。
「働く」と言うこと
ドイツの哲学者であるハンナ・アーレントは、人間の「活動的生活(日常的な活動を主とする生活)」を3種類に分類しました。
活動(action)
自発的にやること。心からやりたくてやる純粋な行動。
仕事(work)
誇りをもってやること。金銭など特定の目的があるからやっているところもあるが、強制されている訳では無く、むしろやる気に満ち溢れている。
労働(labor)
生きるためだけにやっていること。ベルトコンベアで流れてくるものを処理していくイメージ。やらないで済むならできればやりたくないこと。
朝の1時間は「活動」、就業時間は「仕事」、できるだけ「労働」はしない。
どうすれば、そんな生き方ができるのかは、自分で見つけるしかありません。なぜなら、生き方は人それぞれであり、何を価値と感じ、喜びと感じるかは、他人と比べることはできないからです。
そんなことは、理想だと言いたいかも知れません。でも、理想だからこそ、目指すべき目標になるのです。そして、その目標を達成すべく行動すれば、人を変え、会社を変え、なによりも、どこででも通用する自分になることができます。
会社がダメだから、上司がダメだから、まわりの人がダメだから、自分もダメになってしまう。
そんな他人任せの人生で、いいのですか。自分がダメにならないように、まずは自分から行動することです。それでも会社が変わらないのなら、そんな会社は辞めてしまえばいいのです。
この会社は、自分には向いていない、この会社にいても自分は成長できない。
もし、そう感じているのなら、そんな会社はやめとしまえばいいのです。でも、その前に、ひとつだけ考えてみてください。
「自分は行動を起こしたのか?」
自分で何も行動を起こさず、会社に文句を言いい、他人に責任にしてしまう。そんな生き方から抜け出さなければ、どこへ行っても同じことを繰り返すだけです。
ほんとうに、それでいいのですか?
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デジタルってなぁに、何が変わるの、どうすればいいの?そんな問いにも簡潔な説明でお答えしています。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー
【4月度のコンテンツを更新しました】
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・以下のプレゼンテーション・パッケージを新規公開致しました。
> 2020年度・新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス と事前課題
>デジタル・トランスフォーメーション 基本の「き」
・ITソリューション塾・第33期(現在開催中)のプレゼンテーションと講義動画を更新
>これからの開発と運用
新規プレゼンテーション・パッケージ ======
【新規】2020年度・新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス
【新規】上記研修の事前課題
【新規】デジタル・トランスフォーメーション 基本の「き」
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【改訂】総集編 2020年4月版・最新の資料を反映しました。
【改訂】ITソリューション塾・プレゼンテーションと講義動画
>これからの開発と運用
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ビジネス戦略編
【改訂】DXとPurpose p.21
【改訂】Purpose:不確実な社会でもぶれることのない価値の根源 p.22
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは何か p.29
【新規】「何を?」変革するのか p.30
【新規】「”デジタル”を駆使する」とは、何をすることか p.31
【新規】「共創」とは、何をすることか p.32
【新規】NTTとトヨタ 「スマートシティプラットフォーム」を共同構築 p.62
【新規】「両利きの経営」とDX戦略(1) P.82
【新規】「両利きの経営」とDX戦略(2) P.83
【新規】学ぶべき領域 p.272
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【新規】サイバー・セキュリティ対策の目的 p.133
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