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「へぇー!なるほど、そういうビジネスってありなんだ。」
なるほど、と唸らせるものばかりだ。どれもが全てビジネスとしてうまくゆくかどうかは分からない。それでも、カタチにして、走りながらその答えを探してゆこうという彼らには、少なくとも「成功の可能性」だけは手にしている。
一方で、いくつもの企業で新規事業に取り組みながらも、なかなか成果があげられない、あるいは可能性さえ見いだせず、スタートにも至らないという話しはいくらでもある。
ベンチャーだから、若いから、彼らには特別なセンスがあるから
そうやって自分たちとは一線を画し、自らは普通の会社員で凡人であることを理由に、できないことの言い訳を積み上げてゆく。そんな「新規事業開発」の現場を目にすることは多い。
「イノベーション推進室」や「デジタル・ビジネス開発室」といった看板を掲げながら、やっていることは市場調査や競合の取り組みを整理することばかりで、あらたなアイデアを生みだすには至らない。
いや、アイデアはある、プランはあると話しを聞くと、どこかで聞いたことのある話しであったり、うまくいっているビジネスの劣化版コピーであったりする。会社のブランドや事業規模といった力業である程度のところへ持ってゆけるかもしれないが、たぶん「成功」の二文字を手に入れることはないだろう。
なぜこんなことになるのだろう。私なりに感じていることを5つに整理してみたい。
”わくわく感”を持っていない人たちがやっているから
「やってみなはれ やらなわからしまへんで」
サントリーの創業者である鳥井信治郎は未知の分野に挑戦しようとして周囲から反対を受けるたび、この言葉を発して決して諦めなかったという。
そんな「やってみなはれ」と言わせるだけのわくわく感を相手に与えられているだろうか。確かに理路整然とした事業企画にまとまり、プレゼンテーションは見事かもしれない。しかし、相手の心を揺さぶるパッションはあるろうか。
どうしてもやりたい、なんとしてでも実現したい、できないなら会社を辞めてでも自分でやる
そうやって、社内プロジェクトからはじめたが、会社はそれを受けとめられず結局は会社を辞めて自分で会社を興した人を何人も知っている。彼らは苦労しながらも我が道をすすみ、存在感を高めている人は多い。それだけの確信と本気度がなければ、新規事業はうまくいかない。
会社が受け入れられなかったのは、結果でしかない。組織文化だとか、経営者の度量だとか、いろいろと理屈はあるだろうが、それに文句を言っても意味のないことだ。会社が受け入れてくれるかどうかではなく、これをやりたいというパッションだ。
会社がやらないなら自分でやる
その覚悟が、わくわく感であり、それが人を巻き込み、どんな逆境があっても成功の筋道を邁進する原動力となる。
新規事業を任され報告のための新規事業計画を作ることをミッションと心得ている人たちから、わくわく感は伝わってこない。どこかにありそうな「ちょっと目新しい成功事例や取り組み事例」をアレンジし、つじつま合わせの統計資料で可能性をねつ造し、自分たちに都合のいい市場や顧客の振る舞いを創定(創造的想定)して、見事なプレゼンテーションで説明されてもワクワクすることはない。
新規事業がなかなかかたちにならないのは、ここに尽きるのではないかと思っている。
スパンサーシップがなく権限が委譲されていないから
経営者がプロジェクトを任せるのなら、「やってみなはれ」と予算を付け権限を委譲し、マイクロマネージメントに陥らないことだ。任される方が「これはえらいことになった」と身が引き締まるほどに、自らの与えられたミッションと権限の大きさに緊張し、本気になり、怖くなるほどの感覚を持たされてこそ、彼らも力を発揮する。
「きみは優秀だから新規事業開発のタスクチームに参加して欲しい」
経営者や上司からそう言われれば、その気にもなる。しかし、実態は放課後のクラブ活動に過ぎないとすればどうだろう。本業はそのままに時間の合間を見つけて打ち合わせを重ねる。しかし、自分の業績評価は本業のみで、クラブ活動の成績に対する評価基準は曖昧だ。本業が忙しくなり、あるいはトラブルが起こればそちらを優先するのは当然のことで、いつしか自然消滅してしまう。
「きみはいろいろと問題意識を持っているようなので、ぜひ、新しい事業を考えて欲しい」
社内の「うるさがた」を封じ込めるために「新規事業開発室」なるものを新設し、そこに押し込んでしまおうという話しもあるようだ。物事の本質を突き詰めようとしてきたわけではない評論家も多いことから、気に入らない、スキルがない、人望がないので、結局は成果をあげられない。これでは、新規事業などは到底実現しないだろう。
経営者は報告を聞き、課題を明らかにし、何が課題か、何が必要かを問い、わくわく感を引き出さなくてはならない。新規事業を任されたものは、これまでの成果を示し、要求し、これからの成果をコミット、これがどれほどのわくわく感があるかを伝えなくてはいけない。そんな両者の対話がなければ、成果に至ることはないだろう。
自分の仕事の枠組みを超えられないから
「私たちは、これからこんな事業展開を考えています。」
話しを聞くと、いまの仕事の延長線での改善でしかない。一方で、このままでは成長できない、未来がないと危機感を語る。これは明らかに矛盾している。
いまのままなら大変なことになるというのなら、いまを捨て去ることを考えるべきだろう。いまのしがらみを捨てて、20年後、30年後の「あるべき姿」をまずは描き、そこから逆引きして、いまからそこに至る物語を描くことだ。
「いまの事業資産やビジネスを捨ててしまえ」などと申し上げているわけではない。まずは、未来の「あるべき姿」のゴールを明らかにし、そこにむけて、どのようにいまの事業を変革してゆくかのステップを刻むことだ。これを戦略という。
あまりにも視点が低い、近視眼的である。いまをなんとかしたいという焦りで、足下の案件や顧客、事業しか考えていないし、その改善や拡張しか取り組んでいない。これでは、未来へ至る道はいつまでも見えない。
新規事業は未来からの逆引きで描く
そのことを忘れないようにしたいものだ。
常識的な知識やスキルが欠如しているから
デジタル・トランスフォーメーション、AI、IoTなど、流行の言葉は知ってはいても、その背景にある哲学や社会的背景を突き詰めていない。アジャイル開発やDevOps、デザイン思考について勉強しているが実践しない、試してもみない。それでは本質などつかめない。
ディープラーニングが流行だからと取り組みは初めても、リアルなビジネス・シーンでの実験は後回しのままでは、スキルや勘所は養えないだろう。
私はITソリューション塾を主宰している。そこで学ぶことは、知識だけではない。実践で苦労し、一歩も二歩も先を行く人たちから話しを聞くことで、現実を知ってもらおうと取り組んでいる。
今期はサイバー・セキュリティの現場でセキュリティ・コンサルタントとして長年取り組んで来た人、アジャイル開発やDevOpsをSIビジネスの現場に根付かせる取り組みをして、劇的な営業利益率向上を実現してきた人、データサイエンスの現場で新たな方法論を模索している人に講師をお願いしている。
これまでも大勢のそんなプロたちから生々しい体験に裏打ちされた実践論を学んできた。頭でっかちの知識だけではない迫力と共感がある。
ITソリューション塾だけで行動が変わるとは思わないが、そんな知識と感性の裏付けを得て、自分の方向性を考えるきっかけになるとは思っている。
そういう場は、ほかにもいろいろある。オープンな勉強会やコミュニティは毎日のように開催されている。そこに参加者としてだけではなく、運営者や主催者としてかかわることだ。自らが学びや発信の起点になれば、そういう人たちとつながってゆく。そういう人たちとの対話がイノベーティブなアイデアを生みだす源泉となる。
会社の中やこれまでの仕事の繋がりだけでは、現状を越えることはできない。自らが起点となり、会社以外に繋がり、対話を求めてゆくことだ。そんな主体的な行動にこそ、成果を生みだす確かな土台が築かれる。
経営者に覚悟がないから
「同様の成功事例は、あるのか?」
「その数字には根拠があるのか?」
「うちのリソースでできるのか?」
そうやって、いいアイデアを潰してしまう。
「これ期素晴らしい!どんどんすすめなさい。」
このようなコメントが出る場合も、要注意だ。理屈で納得させられるようなアイデアは、所詮どこかに似たようなものがあり、ユニークネスがない。このような事業は、うまくいかないことが多い。
経営者や上司、あるいは周りの人たちが理解できないからこそ、新しいわけで、それがユニークかどうかの判断基準となるだろう。
人に理解されなくてもいい。確信があり自分がワクワクしているのであれば、その想いは人の心を揺さぶる。このような事業アイデアに予算を付けるのが経営者の覚悟だ。これを後押しし根回しの協力をしてくれるのが上司の力量だ。
経営者は理屈を理解できなくてもいい、ワクワクを感じ、直感を信じることこそが、イノベーティブなビジネスを生みだす力となる。
その多くは失敗するだろう。だからいろいろと取り組んでみて、大きな成功を引き当てる。シリコンバレーのエンジェルたちの感性だ。新規事業とは、そのような取り組みであることを覚悟すべきだろう。
では具体的にどうすればいいのかは、よろしければ、下記の記事が参考にして頂きたい。
>>時間をかけてもなかなか成果をあげられない新規事業を見直すための「心がけること」と「注意すること」
【募集開始】ビジネス・リーダーのためのデジタル戦略塾
- 8月2日(木) 第1回 最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略
- 8月29日(水) 第2回 ビジネスを戦略的に動かす実践データサイエンス
- 9月14日(金) 第3回 未来創造デザインによる新規事業の創出
- 10月3日(水) 第4回 デジタルサービスの機敏な提供ーVeriSM
対象者は次のような方です。
SI事業者やITベンダーではない事業会社のリーダーや管理職、部門長、経営者(ITやデジタル・テクノロジーについての前提知識は不要)
- 事業企画や経営企画にかかわっている
- 新規事業開発にかかわっている
- 情報システム部門で企画や戦略に関わっている
次のような課題をお持ちの皆さん
- 最新のIT知識や実践で活かすためのノウハウを手に入れたい。
- デジタル戦略の実践でリーダーシップを発揮したい。
- 事業計画にデジタル戦略を織り込みたい。
もはやデジタルを味方にしなければ生き残れない時代です。しかし、加速度を増すテクノロジーの進化についてゆくことは大変なことです。また、それを実践に活かすとなるさらに高いハードルが待ち受けています。
そんな課題を克服し、自分たちのデジタル戦略を前進させたいと考えている方に、テクノロジーについての最新の知識をわかりやすく伝え、実践のためのノウハウを学んで頂きます。
SI事業者やITベンダーの皆さんへ
お客様のITに関わる予算の7割は、情シス部門以外の部門が意志決定に関与しています。ここに営業力を直接的に行使できれば、営業目標の達成にも大いに貢献できます。「デジタル戦略塾」は、この取り組みを支援するものです。
いま、お客様の事業部門は、自らの事業の差別化を図り競争力を強化するためにITを積極的に活用していこうとしています。「攻めのIT」や「ビジネスのデジタル化」、あるいは、「デジタル・トランスフォーメーション」といった言葉が、注目されているのはそのような背景があるからです。一方で、彼らはITについての知識は乏しく、それを活かす方法を知りません。
ITを活用して事業の競争力を高めたいが、それを実践に活かす知識もノウハウもない
このギャップを埋めることに積極的に貢献できれば、事業部門との信頼関係を強固にすることができます。そうすればその先にビジネスのきっかけを見つけることができるようになるはずです。
情報システム部門の皆さんへ
情報システム部門の中には、このような事業部門の取り組みの蚊帳の外に置かれているところもあるようです。「攻めのIT」は事業部門の主導の下で行われ、自らの存在意義を問われています。
「デジタル戦略塾」を事業部門にご紹介いただくことは、「攻めのIT」への取り組みにおける自分たちの存在意義を、事業部門や経営者にアピールする有効な手立てとなります。また、ご自身も一緒にご参加いただき、「攻めのIT」への取り組みを二人三脚で取り組むための知識とノウハウを共有して頂くこともできます。
- AIやIoT、クラウドやアジャイル開発などの最新のテクノロジー
- ビジネスをデータで理解するためのデータサイエンス
- ビジネスにイノベーションをもたらすデザイン思考
- 新しいビジネスをいち早く実践の現場に展開するためのVeriSM
ご参加ならびにご紹介をいただければ幸いです。
【募集開始】新入社員ための最新ITトレンド研修
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。デジタル・トランスフォーメーションの到来は、これからのITビジネスの未来を大きく変えてしまうでしょう。
しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることはありません。
そんな彼らに「ITトレンドの最新の常識」と「ITビジネスに関わることの意義や楽しさ」についてわかりやすく伝え、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと「新入社員ための最新ITトレンド研修」を昨年よりスタートさせました。今年も7月17日(火)と8月20日(月)に開催することにしました。
参加費も1日研修で1万円に設定しました。この金額ならば、会社が費用を出してくれなくても、志さえあれば自腹で支払えるだろうと考えたからです。
社会人として、あるいはIT業界人として、厳しいことや頑張らなくちゃいけないことも伝えなくてはなりません。でも「ITは楽しい」と思えてこそ、困難を乗り越える力が生まれてくるのではないでしょうか。
- ITって凄い
- ITの仕事はこんなにも可能性があるんだ
- この業界に入って本当に良かった
この研修を終えて、受講者にそう思ってもらえることが目標です。
よろしければ、御社の新入社員にもご参加いただければと願っております。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 7月度版リリース====================
ITソリューション塾・第28期の最新教材を掲載
メモリー・ストレージ関連のチャートを拡充
AI専用プロセッサーについてのチャートを追加
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ビジネス戦略編
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの定義 p.22
インフラとプラットフォーム編
【新規】メモリーとストレージの関係 p.216
【新規】速度と容量の違い p.217
【新規】ストレージ構成の変遷 p.217
【新規】新章追加・不揮発性メモリ p.238-242
メモリ階層
コンピュータの5大機能
記憶装置の進化
外部記憶装置が不要に!?
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTビジネスとはどういうことか p.43
【新規】IoTビジネス戦略 p.45
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】AIやロボットに置き換えられるものと残るもの p.111
【新規】皆さんへの質問 p.131
【新規】求められる人間力の形成 p.132
【新規】新章の追加・AI用プロセッサーの動向 p.133-146
急増するAI 専用プロセッサ
人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係
深層学習の計算処理に関する基礎知識
AI = 膨大な計算が必要、しかし計算は単純
学習と推論
GPUはなぜディープラーニングに使われるか
データセンター向けGPU
GoogleがAI 処理専用プロセッサ「TPU」を発表
TPUの進化
クライアント側でのAI処理
Apple A11 Bionic
ARMのAIアーキテクチャ
開発と運用編
【新規】VeriSM p.6
【新規】早期の仕様確定がムダを減らすという迷信 p.13
【新規】クラウド・バイ・デフォルト原則 p.17
クラウド・コンピューティング編
*変更はありません
サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません
テクノロジー・トピックス編
*変更はありません
ITの歴史と最新のトレンド編
*変更はありません
【ITソリューション塾】最新教材ライブラリ
第28期の内容に更新しました。
・CPSとクラウド・コンピューティング
・ソフトウェア化するインフラと仮想化
・クラウド時代のモバイルデバイスとクライアント
・IoT(モノのインターネット)
・AI(人工知能)
・データベースとストレージ
・これからのアプリケーション開発と運用