「お客様から言われたことをやるのではなく、こちらから提案できる営業になりたい」
そう考える人は少なくありませんが、「こちらから提案できる」ためには、どのようなことができなければならないのでしょうか。
お客様の「あるべき姿」について合意する
営業活動の最初の一歩は、お客様の「あるべき姿」について合意することです。例えば、お客様からパソコン×100台の見積を依頼され、その通り見積を出しているようでは、競合他社との価格競争に巻き込まれてしまうことは避けられないでしょう。しかし、「なぜ必要なのでしょうか?」や「どのような目的でパソコンを100台も必要とされているのか?」と聞いたところ、「新商品をオンラインで販売するに当たって、受注のためにコールセンターを新設して100人の要員を配置するため」と教えてくれました。
ここから分かることは、「新たな受注に対応できること」が、お客様の「あるべき姿」であり、「パソコン×100台」は、それを実現する手段であると言うことが分かります。
「新たな受注に対応できること」があるべき姿であるのなら、それを実現するもっと優れた手段はないのでしょうか。例えば、CRMを導入すれば、お客様との応対時間を半減できるので、「パソコン×50台」でいいかもしれません。あるいは、新たな商品の詳細な説明やマーケティングと連動させたWebで注文に特化すれば、パソコンは不要になるばかりでなく、売上の拡大にも効果があるかも知れません。
いずれにしても、お客様から求められた手段に反射的に動くのではなく、その手段の前提となっている「あるべき姿」を確認し、それを実現することに合意できれば、もっとお客様のビジネスの成果に貢献できる提案ができる可能性があります。
いまから50年ほど前、米国で当時の主力戦略爆撃機であるB-52に替わる機体を開発しようという取り組みが始まりました。米空軍からは低空かつ超高速で飛行できる大型爆撃機を求められたそうです。その目的は、敵地に深く侵入し、攻撃後はいち早く逃げるために、短時間で敵地から離脱したいからだったそうです。しかし、航空会社の技術者たちは機体の重量が重すぎるので超高速化はむりという結論を伝えました。そして、それに替わる手段として、「ステルス化」を提案したのです。つまり「いち早く逃げる」スピードはだせないけれど、「レーダーに見えない機体」を作れば「あるべき姿」を実現できるはずと考え、ステルス爆撃機が誕生したのだそうです。
お客様は手段が欲しいわけではありません。「あるべき姿」を実現したいのです。そのためには、まずは「目的」すなわち「あるべき姿」が何かを確認し、それが実現されるのであれば、お客様が求めた手段でなくてもいいこと、より優れた手段があれば、それを受け入れてくれることで合意することです。
「現実」と「あるべき姿」のギャップ=課題を知る
「あるべき姿」は明らかになりました。しかし、そこから「現実」を眺めてみると、埋めなければならないギャップがあります。このギャップを「課題」といいます。この課題を解決する手段や取り組みを「ソリューション」といいます。
「ソリューション」により課題を解決し、「あるべき姿」を実現するためには、体制を作る、業務手順を変える、教育するなどの手間と時間をかけなくてはなりません。それをお客様にわかりやすく説明し、納得していただけなければなりません。そのための取り組みが提案活動であり、その議論の成果としてまとめ上げた文書が「提案書」となります。いわば「提案書」とは、お客様とこれからどうやって一緒に仕事をしてゆくかの合意文書というわけです。
お客様を愛し、お客様の立場に立つ
「恋人の喜ぶ顔を見たい、相手を幸せにしたい」
そう思うからこそ、相手のために精一杯尽くせるのではないでしょうか。営業活動も同じことです。そのためには、徹底して相手を知る努力をするはずです。また、相手の役に立つための情報を集め、自分の魅力を高めるために必要な知識や能力を磨こうとするはずです。それはとりもなおさず自分の成長でもあるのです。
「相手のためにできる限りのことをする」
それが、営業という仕事の根っ子になくてはなりません。それがあって、お客様は幸せになり自分も成長できるのです。そんな関係を築くことがお客様との信頼関係を育ててゆきます。
また、「お客様の立場に立つ」ことも求められます。この言葉は、「お客様の任されている仕事を自分が任されたとき、どのように考え、意志決定し、行動するかを想像すること」です。お客様と同じ答えを出すことではありません。むしろ、しがらみのない立場で「あるべき姿」を実現するために最善の策を想像するのです。そこに考えのズレがあるとすれば、それはお客様にとっても新たな気付きとなります。そして、よりよいものにしてゆこうというお互いの想いとともに、いい知恵が生まれてくるでしょう。こういう関係を築くことが、最近盛んに聞くようになった「共創」の土台となるのです。
「お客様から言われたことをやるのではなく、こちらから提案できる営業になりたい」
そのためには、ここに紹介した3つのポイントを確実に行えるようになることです。簡単なことではありません。だから、「難しい、自分は無理」と考える方もいるでしょう。そういう方には営業という仕事はむつかしいかもしれません。しかし、「やり甲斐がある、やってみたい」と思えるのなら実践してみてはどうでしょう。
そのとき、考えて、決心を固めてから行動するのではなく、まずはこの通りやってみることです。それを繰り返しているうちに実践のノウハウは積み上がってゆき、自然とこなせるようになります。そうすれば、結果として、決心が固まります。まずはカタチから入れ!です。そうすれば、お客様に頼られ、お客様から最初に相談される存在になるでしょう。そうすれば、競合はなくビジネスの主導権を握ることができます。わたしは、そういう営業こそ「最強の営業」だと思っています。
新入社員のための最新ITトレンド・1日研修
「お客様の話しに、ついてゆけません。言葉が分からないんです。」
こんな話をする新入社員は少なくありません。もちろん経験のない彼らが仕事をうまくこなせないのは当然のことです。しかし、「言葉が分からない」というのは別の問題です。
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることなく現場に送り出されてしまいます。そのため、お客様が何を話しているのか分からないままに、曖昧な応対しかできず、自信を無くしてしまう、外に出るのが怖いなどの不安をいだいている新入社員も少なくないようです。
そんな彼らに、ITの最新トレンドを教え、ITがもたらす未来への期待、そこに関わることへの誇りを持てるようにと企画しました。
参加費が1万円なら、懐の寂しくても自腹で参加できるはずです。また、既に新入社員研修の予算を使い切った企業でも、何とかやりくりして頂けるのではないでしょうか。そんな想いで、この金額にしてみました。また、100ページを超えるテキストは、パワーポイントのままでロイヤリティフリーで提供させて頂きます。
実施内容
- 日時:下記日程のいずれか1日間(どちらも同じ内容です)
- 【第1回】8月28日(月)10:00〜17:00
- 【第2回】9月04日(月)10:00〜17:00
- *昼休み1時間、休憩随時
- 会場:株式会社アシスト・本社1階セミナールーム/市ヶ谷
- 定員:50名/回
- 費用:1万円(税込10,800円)
- 新入社員以外(例えば、他業界からIT業界に転職された方や人材開発・研修担当の方)で参加されたい場合は、3万8千円(税込 41,040円)でご参加いただけます。
- 内容:
- ITビジネスの歴史と最新トレンド
- クラウド・コンピューティング
- ITインフラと仮想化
- サイバーセキュリティ
- IoT
- AIとロボット
- アジャイル開発とDevOps
- これからのITとITビジネス
詳しくはこちらをご覧下さい。
ITソリューション塾・福岡・第2期 募集中!
知っているつもりの知識から、説明できる、実践に活かせる知識へ変えてゆく。そんな研修がスタートします。
東京で9年目を迎えるITソリューション塾には、既に1500名を超える卒業生がいらっしゃいます。また、昨年より大阪と福岡でも始まりました。特に福岡では、他の会場にはない「自分のビジネスを成功させるためのワークショップ」もあわせておこないます。
ITについての体系的な知識を身につけたい、提案力を高めたい、コンサルや交渉の力を高めたい。そんな皆さんのための実践的プログラムです。ふるってご参加下さい。
日程 | 2017年7月11日〜10月3日 全7回 13:30〜17:30 |
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回数 | 全7回 |
定員 | 40名 |
会場 | 福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センター |
料金 | ¥65,000 (税込み¥70,200-) 全期間の参加費と資料・教材を含む |
詳細 | ITソリューション塾[福岡] 第2期 講義内容/スケジュール |
申し込み | 上記リンクのパンフレットをご参照ください。 |
【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 増強改訂版
- 何ができるようになるのか?
- どのような価値を生みだすのか?
- なぜ注目されているのか?
「知っている」から「説明できる」へ
実践で「使える」知識を手に入れる
- IoT とインダストリー4.0
- AR とVR
- 人工知能と機械学習とディープラーニング
- サーバ仮想化とコンテナ
- ネットワーク仮想化とSD-WAN
- アジャイル開発とDevOps
- マイクロサービスとサーバレス
キーワードは耳にするけど、
それが何なのか、何ができるようになるのか、
なぜそんなに注目されているのか理解できてなかったりしませんか?
最新版(6月度)をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
最新版【2017年6月】をリリースいたしました。
今月は、特にブロックチェーンや5Gについてのプレゼンテーションを充実させています。
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ビジネス戦略編
【新規】根拠なき「工数見積」と顧客との信頼関係の崩壊 p.32
【新規】工数ビジネスの限界 p.34
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.15
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】自動化と自律化 p.14
【新規】学習と推論 p.27
【新規】うんコレ1枚でわかる画像認識 p.34
【新規】自動運転のためのプラットフォーム p.81
サービス&アプリケーション・基本編
変更はありません
開発と運用編
【新規】「仕様書通り作る」から「ビジネスの成果への貢献」へ p.11
クラウド・コンピューティング編
【変更】パブリッククラウド p.38
【新規】クラウドの見積り方(1)と(2) p.79-80
インフラ&プラットフォーム編
【変更】ウェアラブル=身体に密着するデバイス p.21
【新規】ウェアラブル・デバイスの進化 p.22
【変更】ウェアラブル・デバイスの種類と使われ方 p.23
【新規】これからのクライアントを占うキーワード p.25
【新規】ユビキタスコンピューティング = 10年前のIoT p.26
【新規】スマートフォーム p.27
【変更】ユビキタスからアンビエントへ p.28
【新規】ビーコン 事例 p.29
【新規】VR 事例p.30
【新規】AR 事例p.31
【新規】MR 事例p.32
【新規】セキュリティ対策対象の変化 p.112
【新規】コレ1枚でわかる第5世代通信 p.209-211
テクノロジー・トピックス編
【新規】ARM:2016年の売上高は16億8900万ドル p.22
【新規】ARM:ライセンスパートナー p.23
【変更】ARM:拡がる適用分野 p.26
【新規】ARM:CPU設計から製造まで p.27
【新規】ブロックチェーンとは何か p.33
【新規】ブロックチェーンの3つの特徴 p.32-36
【新規】ブロックチェーンで使われる暗号技術 p.37-38
ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】ソフトウェア化するモノ p.11
新刊書籍のご紹介
未来を味方にする技術
これからのビジネスを創るITの基礎の基礎
- ITの専門家ではない経営者や事業部門の皆さんに、ITの役割や価値、ITとの付き合い方を伝えたい!
- ITで変わる未来や新しい常識を、具体的な事例を通じて知って欲しい!
- お客様とベンダーが同じ方向を向いて、新たな価値を共創して欲しい!
斎藤昌義 著
四六判/264ページ
定価(本体1,580円+税)
ISBN 978-4-7741-8647-4Amazonで購入